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天皇制とは究極の世襲制度である

現在、国会では女性宮家の問題が議論されている。それは表向けは天皇の公務の負担減のためと言われているが、実態は天皇制をいかに継続させるのかという問題であろう。男系による皇位継承こそが大事とする時代錯誤の議論がなされることには驚くばかりなので、その問題の根源を述べてみたい。

我が国の天皇制が大きく変わったのは701年の大宝律令の制定である。これは中国の制度をまねたものであった。律という刑法のなかった日本に、初めてそれを制度に入れた事で国の統治形態を変えたのである。問題は、中国においては全ての官僚組織が皇帝のもとにあり、その独裁体制を補佐するものであったものを、大宝律令においては間に太政官という組織が入った事にある。これにより政治は太政官という官僚組織が行うものとなり、天皇は象徴的なものに変わってしまった。実権は政治は藤原氏、祭祀は藤原氏のもとの氏族である中臣氏が握ることとなり、その形態は江戸時代まで連綿と続いた。ここに我が国の天皇家を頂点とした貴族階級の世襲制度が確立された事を見るのである。実権を持つ官僚としての貴族たちというものが、天皇を頂点とする朝廷という組織を名実ともに形作ったのである。

平安時代の中ごろから、関東を始めとした開墾地の私有制を守るために武士という階級が出来上がり始める。そしてそれが実権を持つようになっても、結局、天皇制はそのまま続いた。武士階級にも家というもので世襲制が続いたが、かたち上は天皇から征夷大将軍などの地位のもとによる支配が認められるという形態のままに江戸時代まで続くのであった。天皇制は一時期、院政による支配で承久の乱により鎌倉幕府の討伐という企てをするが敗れ去る。以降、幕府が天皇の任命権を持つ形になる。しかし足利義満の場合を除いて、武士たちは決して天皇制を壊してまで自分が日本国の王になろうとはしなかった。国の正当な覇権は常に天皇にあるという世襲の理論は強く続くのである。戦国時代から幕末の尊王攘夷まで、戦いの根拠には朝敵討伐の天皇の命令としての「治罰の論旨」という権威が利用された。このように、天皇以外のある特定の権力が全権を持つことが無いように、天皇制は世襲という継続のもとに利用されるものになっていったのである。それが皮肉なことに今日まで連綿と続く大きな背景なのである。

天孫降臨神話はイザナギ、イザナミという夫婦神による国生みにより日本列島ができ、その子供のアマテラス(女)、ツクヨミ(男)、スサノオ(男)の三貴神の物語である。アマテラスはイザナギの後継者、ツクヨミは黄泉の国の支配者、スサノオは海の支配者を命じられるが、いう事を聞かない乱暴者のスサノオは出雲に流される。その子孫の大国主命が大和地方を中心にして日本支配をしていたものをアマテラスの孫のニニギに国譲りさせる事で天孫として降臨する。そしてアマテラスがニニギに神勅を与えて日本国の支配を与える。その子孫が第一代天皇の神武天皇になるというのである。これを考えれば男系天皇による万世一系の天皇制に意味がない事は明白である。おおもとが女性なのである。

なぜ男系の万世一系が重要なものなのかに根拠は何もない。それは宗教と同じで絶対性の根拠はない。平安時代の中期まで、皇族を含めて、婚姻制度は男性に嫁ぐのではなく女性に嫁ぐ招婿婚が主体であった。従って天皇の後継が男系でなければならないなどの意識はなかったと見るのが妥当である。事実、明治における江戸時代の国学による平田神道をもとにした国家神道が出来上がるまで、中世期までにそのような考えはどの文献にもない。男系が続いたのは女性が皇族以外の男性と性的交渉を持たないとする皇族内の倫理観だけであったとする説が有力である。男系による表向きの連続は単なる結果だったのである。男系が続いたとする科学的根拠もどこにも存在しない。

このように、今でも明治時代の国家神道に基づいて、男系の皇位継承を守ることがわが国の国体であるとかいう論理を偉そうに述べる政治家は、一体、何が言いたいのか理解できない。それは明治の天皇を神とした国家神道という捏造宗教による皇国史観というものをなぞっているだけの軽薄な意見に過ぎない。あたかも全国民が天皇制の絶対性を信じているような言動には驚くばかりである。むしろ天皇の公務の多さや、その年齢も考慮しない非人間的な扱いこそが問題であり、天皇家としてもそのような事は望んでいるとは思えない。本当に天皇陛下を敬っているなら、そのような非合理的な制度と共に、戦後になってから無宗教にされてしまっている天皇家を人間に戻して差し上げる事こそ求められているはずである。これ以上、天皇制を国家として利用するような事は止めるべきである。

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